Janne Da Arcの曲「sister」女性の心情を考察
「sister」は、2002年1月23日に発売されたJanne Da Arcの3rdアルバム、「GAIA」収録曲です。
今回は、「sister」について女性の心情を中心に考察しました。
※以下、「」部分は歌詞の引用、また歌詞を要約している部分もあります、分かりにくかったらすみません!
登場人物
女性(彼女)…この歌の主人公。自分のもとを去った男性のことを監禁する。
男性(彼)…女性と付き合っていたことがある(筆者の考えです)。他の女性に心変わりして女性のもとを去る。
ざっくりストーリー説明(筆者の考察入り)
歌の語り手(主語)は女性です。付き合っていた男性が他の女性に心変わりし、自分から去っていきました。男性のことが諦められず、彼女は彼を監禁し地下室に閉じ込めてしまいます。そこで彼女は再び彼からの愛を手に入れようとします。
女性の心情
彼に手錠をかけないのはなぜ?
女性は男性に麻酔をかけ、地下室に監禁し、身体を拘束します。
「繋いだ鎖 だけど手錠だけは外してあげる」
鎖で身体の自由を奪われ、逃げることを阻止された男性。しかし、手錠はされていないことから手の自由だけはあることがわかります。
なぜ女性は、男性の身体の自由を完全に奪わなかったのでしょうか?男性に強く執着して監禁までしてしまう彼女は、彼に絶対逃げられたくないはずです。それなら、身体は完全に自由が利かない状態にしたほうがよいはずです。
2つ理由を考えました。①好きな男性の自由を完全に奪うことは心苦しくてできなかったから②完全に自由を奪わなくても、男性は自分から逃げようとしない、自分の思いに答えてくれるという期待を持っているから。
筆者は②の理由が強いと考えています。後の考察にも記しますが、彼女は彼のことを愛しています。そして、彼に愛してもらいたいと思っています。決してふりではなく、心から愛してほしいと思っているのです。身体の自由を完全に奪う、つまり女性が圧倒的に優位で、男性が逆らえない関係性において、男性に心から愛してもらうことは不可能でしょう。それが嫌で、彼に少しの自由(彼が意志を表示できる程度の)を残したのではないでしょうか。
なぜ「朝」に愛していると繰り返してほしいの?
「朝がきても 愛してると繰り返して」
女性は男性に「愛してる」と何度も言うよう求めます。朝が「きても」ということは、夜にも「愛してる」と言われて(言わせて)いると筆者は解釈しました。この歌詞の直後に、「夜ごと あなたに似た子を宿すまで」とあります。夜の行為の際に、「愛してる」と男性に言わせているのでしょう。
そして、眠って朝になると彼女は不安になるのではないでしょうか。夜に愛していると言われた、あれははたして本当に言われたのだろうか?自分の願望がつくりだした夢のではないのだろうか?不安になり、朝にも男性に繰り返し「愛してる」と言わせるのです。
女性が不安がる訳は?
・この後、「抱きしめて 強く」、「kissをして」、「壊して」、「優しくして」と男性に次々行動を要求します。いちいち行動を指図するところから、男性からは、自然に彼女の求める行動をしてくれないこと、そして彼女の不安感が強いことが窺えます。朝に「愛してる」を繰り返させたり(上記)と、なぜ彼女はこんなにも不安そうなのでしょう?
それは、男性が彼女以外の人を好きになり、この女性のもとを去るという裏切りをしたことがあるからだと思います。
過去に、女性が男性から花をもらったことがあったといっているところがあります。二人には両想いだった時期があったのでしょう。しかし、枯れた花を取っている女性に新しい花をもらっていないことから、男性はもう彼女のことを好きではないことがわかります。枯れている花は、二人の思いが通じ合っていた期間がもう終わっていることを象徴する描写といえます。彼に裏切られたことから、彼女は彼に対して不安感を強く持っているのです。
・男性がほかの女性を好きになったとわかる箇所
男性が彼女以外に惹かれ、彼女のもとを去ったと分かる部分が以下の2箇所です。①「あなたの背中を見たくない ただそれだけ」。女性が男性の背中を見たというのは、彼が彼女のもとを去ったという意味でしょう。②「誰も見ないで 私だけ幸せにして」という歌詞からは、彼が他の女性のことを好きになってしまったことが窺えます。去られた後も彼のことをあきらめきれない女性が、「街路樹も濡れた 午前0時」に麻酔をかけて地下室に連れて行ったと筆者は考えています。
再び私のことを愛して
「枯れた花 まだ捨てない あなたがくれた ここにきて…本当の愛が見えたでしょ?」。男性からもらった花を捨てていない=彼女はまだ彼のことを思っている、と分かります。その後の問いかけで、彼女は彼も同じ思いでいることを期待していることが分かります。他の女性ではなく私のことを愛しているということがわかったでしょうという問いかけなのです。監禁されて外の世界から遮断された環境(二人以外の存在しない環境)だったら自分にまた気持ちを向けてくれるだろう、それが男性の本当の思いだと信じたくてしょうがないのでしょう。
この歌の最後の歌詞は、「誰も見ないで 私だけ幸せにして」です。これが彼女の強い願望なのでしょう。おそらく、この先も、彼女は彼を外の世界に出さないと思います。外の世界に彼を出したら、また自分のもとを去ってしまうかもしれないから。
この二人の行く末は描かれていません。男性が女性のことを受け入れて二人で幸せに暮らしたのか、男性が唯一自由である手を使って何らか状況の打開に試みたのか。どうなったのか気になる所ですね…。
まとめ
初めてこの曲を聴いたときは、「麻酔」、「地下室」に監禁、「鎖」で繋ぐなどといったワードからめちゃくちゃ病み曲だな!!共感はできない、と思っていたのですが、女性の気持ちを考えると、愛していた彼に裏切られたショックを抱えていることもわかり、共感できないわけではないなと思うようになりました。
※今回書いたものは、あくまで筆者の考察です。違う考え方があったらぜひ聞きたいです!
疑問
・題名の意味がわかりません。辞書を引いてもしっくりくる意味が載っていませんでした…。「sister」がこの歌のどういったところを表しているのか、わかる方がいたらぜひ教えてほしいです、お願いします!